2015年03月24日

着物が喜んでいます

以前、不思議な出会いというタイトルで、
全く知らない方から、赤い着物を頂いた話を書きました。
そして、その事をある落語会で話すと、また知らない方が
小紋の着物を下さいました。
こちらは、不思議な出会いその2に、書きました。

そして、先日頂いた小紋の着物を着て落語会に出かけました。




着物を下さった方もいらっしゃるとお聞きしていましたので、
「あの人に着てもらってよかった。」と思って頂けるように、
落語の稽古も今までで一番たくさんして臨みました。
せっかくよいお着物を頂いたのに、落語がぼろぼろでは、
その着物の価値までが下がるような気がしたのです。

会場で、私を見たその方の最初の一言が
「ありがとう!」
そして、
「着物が喜んでいます。」

このように無生物に喜んでいるという表現を私達は
どんな時に使うのでしょう?

例えば、家にお客さまがある時。
普段以上に念入りに掃除をし、花を飾る。
しまい込んだお客様用の器を出し、上質のお茶を用意する。
やがて、静かな座敷は、笑顔と大きな笑いに包まれる。
そのような時、「家が喜んでいる」と感じ表現します。

その物が持つ本来の役割を発揮できた時に「喜んでいる。」と
私達は表現するのではないでしょうか?


その方は、本当に嬉しそうに何度も
「着物が喜んでいます。」とおっしゃいました。
「箪笥の肥で置いていてもしょうがない。」とも。

不思議なご縁で、私がその方の着物を譲り受け
袖を通す事で、箪笥の肥から着物としての本来の役割を
取り戻す事ができ、着物を喜ばせる事ができたのでしょう。

着物が喜んでくれてよかった。

そう思った時に、着物だけでなく他の物も喜ばせるという事に
考えが及びました。

例えば
私の手足は?
手や足を、喜ばせるような使い方をしているかしら?
動いて当たり前と、使い捨てにしていないかしら?
手や足が、本来持っている機能を十分発揮できるように
筋肉が衰えないように運動をし、労り使っているかしら?
動いてくれる事に、感謝の気持ちを忘れていないかしら?
口は?
耳は?

そう考えていくと、
「この世にあるものすべて 地球を喜ばせる」と
いう事にまで考えが繋がっていきました。

そうそう!
写真のバッグは、ある方が当日プレゼント下さった
帯で作ったバッグです。
帯も喜んでいるでしょう。









  


Posted by みこ  at 00:46Comments(2)落語